阿久沢家住宅(あくざわけじゅうたく)は、群馬県前橋市柏倉町にある古民家。1970年(昭和45年)6月17日、国の重要文化財に指定。
概要
阿久沢家は安部宗任の後裔と伝え、当家の保存する文書には、永禄9年(1566年)11月15日に北条高広が三夜沢赤城神社神主奈良原紀伊守に宛てて「阿久澤源三郎」らに永代寄進させる内容の書状が存在する。当家周辺に多い阿久沢家の本家筋にあたり、江戸時代初期頃から名主を務めた。
建築年代を示す史料は見つかっていないが、赤城山南麓地域にみられる赤城型民家よりも古い形式で、建築手法から17世紀末の建造と推定できる。
構造
形式・規模
- 形式 平屋建、寄棟造、茅葺
- 桁行 15.3メートル
- 梁間 8.2メートル
- 正面(南面)土庇付
間取り
東半分を土間、西半分を床上とする。床上の東側を「ザシキ」、西側南を「コザ」、西側北を「ヘヤ」(ナンド、オク、オサンベヤ)とする「三間取広間型」を呈する。東・北・西面には一切開口部がなく、南面も戸袋を用いないため、開口部は狭く閉鎖的で、内部は非常に暗かった。
土間部分が床上部分に比べてかなり広い点、入口近くに「袖すり柱」を有する点、開口部が少ない点、柱が全て手斧仕上げである点等に古い特徴が見られる。
棟は、屋根上部を土葺としてノシバ・イチハツ(アヤメ類)・イワヒバ等の植物を植える「クレグシ」となっている。
脚注
参考文献
- 群馬県文化財研究会 編『上州の重要民家をたずねる(東毛編)』あさを社、2009年9月25日、148-152頁。ISBN 978-4-87024-503-7。
- 宮城村誌編集委員会『宮城村誌』1973年9月1日(原著1973年9月1日)。doi:10.24484/sitereports.94717。 NCID BN10179277。https://sitereports.nabunken.go.jp/94717。
- 村田敬一『群馬の古建築―寺社建築・民家・近代化遺産・その他―』みやま文庫、2002年7月10日。
関連項目
- 赤城神社(前橋市三夜沢町)
- 群馬県道16号大胡赤城線
- ぐんまフラワーパーク
外部リンク
- 阿久沢家住宅/前橋市
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